離婚後の再婚禁止期間は？別相手と結婚したがる理由や幸せな結婚をする方法も解説

「女性には、離婚後の再婚禁止期間があるって本当？」
「離婚してすぐに再婚したいけど、再婚するまでの平均期間ってどれぐらいなんだろう？」

離婚後に再婚を考えている方の中には、このように考えている方もいるでしょう。まず、離婚後の再婚禁止期間に関してですが、これは廃止されました。詳細は本文で解説しますが、2024年4月1日に女性の再婚禁止期間は正式に廃止になっています。そのため、離婚後にすぐに再婚することは、法的に問題ありません。

そうなると再婚するまでの平均期間が気になるところですが、有職者の場合は約6.7年、無職の場合だと約7.3年かかります。ただし、これはあくまで平均期間です。場合によっては、再婚するまでに10年以上もかかるケースもあるため、再婚方法は慎重に吟味する必要があります。

そこでこの記事では、再婚禁止期間や平均期間だけでなく、再婚率・再婚相手・再婚方法・再婚を成功させるコツを丁寧に解説します。この記事を読めば、離婚後にすぐに再婚することも十分に可能です。離婚後に生活をすぐに安定させたい、子供に安心をしてほしいという方は、是非読んでみてください。

女性に朗報！離婚後の再婚禁止期間が廃止

まずは法務省の公的資料を用いて、離婚後の再婚禁止期間について解説します。

2024年4月から再婚禁止期間が廃止！

実は以下のように、2024年4月1日に、女性の再婚禁止期間が廃止されました。

子の権利利益を保護する観点から、嫡出の推定が及ぶ範囲の見直し及びこれに伴う女性に係る再婚禁止期間の廃止

引用元：法務省｜民法等の一部を改正する法律｜21ページ目（2025年1月1日時点）

このような改正がされたのは、おそらく「法の下の平等」に反するからだと推測できます。男性には、このようなルールが無かったからです。男女平等を推進する国際的な流れや、国内でのジェンダー平等意識の高まりが、この廃止を後押ししたと考えられます。

また、再婚禁止期間による制限が、女性のライフプランや家族形成の自由を妨げることは明らかです。特に、離婚後に新たな生活を早急に始めたいと望むケースでは、再婚禁止期間が現実的な障害になっていたことも一因と考えられます。

廃止する前の内容

女性の再婚禁止期間が廃止される前は、以下のような文章が民法に明記されていました。

（再婚禁止期間）
第七百三十三条
女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一　女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
二　女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

引用元：法務省｜民法等の一部を改正する法律案新旧対照条文｜1ページ目（2025年1月1日時点）

なぜこのようなルールがあったのかと言いますと、女性が再婚した場合に、新たに生まれる子どもの父親を明確にするためでした。そもそも、この民法が制定されたのは明治時代なのですが、当時の技術では、子どもの父親を科学的に特定する方法が存在しませんでした。

そのため離婚した女性が妊娠した場合、妊娠時期によっては「その子供は離婚相手の子供なのか？ それとも離婚後の再婚相手の子供なのか？」を明確にすることが難しかったのです。父親が不明確だと、相続問題や家庭内の法的トラブルが発生する可能性があります。それを未然に防ぐための規定だったのでしょう。

しかしDNA鑑定技術の発展により、父親の特定が迅速かつ確実に行えるようになり、制度の実用的な必要性が薄れました。それと同時に、ジェンダー平等意識の向上、社会の多様化も現代では進みました。この2つの理由から、女性の再婚禁止期間は廃止につながったのでしょう。

再婚率は？離婚してから再婚までの平均期間

次に、再婚率・再婚相手・再婚するまでの平均期間を解説します。

再婚率

政府統計ポータルサイトである政府統計の総合窓口（e-Stat）によると、日本人の再婚率は25.2%です。

4人に1人は再婚になるわけですが、割合としてはやはり少ないですよね。再婚が少ない、つまりは難しい理由として、離婚後に日常生活で新たなパートナーを見つける機会が少なくないことがあげられるでしょう。特に30代後半以降になると、仕事や育児で忙しく、婚活に時間を割くのが難しいと感じる人もいます。

再婚相手

先ほど提示したデータのうち、再婚割合である25.2%のみに絞って確認をしてみると、夫妻ともに再婚パターンが最も多い37.58%になりました。つまり、相手も再婚者である可能性が高いわけです。各パターンの割合は以下の通りです。

「夫妻とも再婚」ケースが一番多く、「夫初婚･妻再婚」が最も低くなっています。再婚同士のカップルが多くなる理由として、過去の離婚経験を共有しやすく、お互いの背景や感情に共感しやすいことが挙げられます。離婚経験者同士であれば、結婚に対する現実的な期待や課題を理解し、共通の価値観を持ちやすいです。

その一方で、初婚の男性と再婚の女性の場合、結婚に対する期待値や優先事項が異なることがあり、そのギャップが結婚を難しくする要因になりがちです。また、初婚で若い女性のほうが妊娠・出産への期待がしやすいと考えられるため、初婚女性よりも年齢が高くなりがちな再婚女性を選ぶケースが減少することが考えられます。

再婚するまでの平均期間

政府統計ポータルサイトである政府統計の総合窓口（e-Stat）によると、再婚するまでの平均期間は約6.8年です。この数値を算出するために用いた数字は以下の通りです。

総件数だと約6.8年ですが、有職者だと約6.7年、無職だと約7.3年かかっています。有職者の方が経済力はあるため、この点が有利に働き、無職者よりも再婚するまでの期間が短くなっているのかもしれません。ひょっとすると、ある程度の経済力があるために、婚活をためらうことなく実行できているのかもしれません。経済力を有しているがために、再婚相手として選ばれやすいことも理由として考えられます。

ただし、このデータには盲点があります。再婚するまでの期間を平均化すると確かに約6~7年なのですが、割合で見ると総件数・有職者・無職・不詳ともに「10年以上」が一番高くなっているからです。総件数・有職者・無職・不詳の各割合をまとめると以下の通りです。

10年以上かかる理由として、理由はいろいろ考えられます。例えば子どもがいる場合、子どもの気持ちや成長を優先して再婚を控えることがよくあります。特に、子どもが成人するまで待つケースもあります。その結果、再婚するまでに10年以上かかってしまうでしょう。

もちろん子供がいなかったとしても、再婚するまでに10年以上かかるケースも考えられます。離婚は感情的に大きなダメージを伴うため、その傷を癒すまでに時間がかかるからです。前の結婚に対するトラウマ、再び結婚生活に入ることへの恐怖感が影響することがあります。これらのようなケースが考えられるため、再婚するまでに10年以上かかることも十分に考えられます。

再婚するまでにかかる平均期間は6~7年ではあるものの、それは絶対ではないことを覚えておきましょう。

幸せな再婚のために！離婚する理由

ここでは、そもそも夫婦が離婚する理由を解説します。

別の相手と再婚したい

離婚する理由として、別の相手と再婚したいが挙げられます。長い結婚生活の中で、パートナーへの愛情が薄れてしまうからです。

例えば、夫婦は20年以上の結婚生活を送り、子どもたちが成長して独立したとします。この場合、子育てという共通の目標がなくなったことで、夫婦の間に空虚感が生まれる可能性があります。夫は仕事に打ち込み、自分の時間を優先し、妻と過ごす時間を持とうとしないかもしれません。そうなれば、心はどんどん離れるでしょう。

このような状況が続けば、「別の相手と再婚したい」と思うのも無理はありません。そう、これがいわゆる熟年離婚というものです。人に読手は、単に離婚をするのではなく、再婚を望むでしょう。

不倫相手と再婚したい

離婚する理由として、不倫相手と再婚したいも考えられます。現在のパートナーよりも気が合う人に出会えば、その人に惹かれるのは無理もないからです。

例えば、Aさんは長年の結婚生活で夫婦間の会話が途絶え、精神的に孤独を感じていたとします。その中で職場の同僚Bさんと親しくなり、自分が望む愛情や共感を得られることに気づいたとしましょう。

結婚生活の修復が不可能であると判断した場合、Bさんとの再婚を前提に離婚を選ぶかもしれません。そもそもAさんは聖人君子ではなく、ただの人です。このような判断を下すのは不思議ではありません。不倫相手との関係が一時的な感情や欲望ではなく、長期間にわたり深い絆や信頼関係を築いている場合、その人との将来を考え離婚を選ぶことは十分にあり得ます。

離婚後に再婚するメリットを解説

次に、離婚後に再婚するメリットを解説します。

過剰な理想を相手に求めない

離婚後に再婚するメリットに、過剰な理想を相手に求めないことが挙げられます。離婚を通じて、現実や自分にとっての優先順位を学ぶからです。

まず離婚を経験すると、結婚生活における理想と現実のギャップを理解することが多くなります。初婚では「理想の結婚相手」や「完璧な家庭」を夢見てしまうことがよくありますが、離婚によって「結婚生活は妥協や努力が必要」という現実を学ぶため、再婚時には過剰な理想を相手に求めることが少なくなります。

そして何より離婚を通じて、結婚生活において本当に重要なもの（例えば、価値観の一致、相手への信頼、家事や育児の分担など）が何であるかを深く理解できるようになります。再婚時には理想を追い求めるのではなく、現実的な条件や自分のライフスタイルに合った相手を選ぶようになるでしょう。その結果、トラブルを招く確率が激減し、前婚よりもうまくいく確率が上がります。

結婚手続きがスムーズにいきやすい

離婚後に再婚するメリットに、結婚手続きがスムーズにいきやすいことがあります。一度結婚を経験しているため、婚姻届の書き方や必要書類の準備、手続きの流れをすでに理解しているからです。

初婚の際、婚姻届の書き方や提出先がわからず、役所で何度も確認することがあるかもしれません。しかし再婚では、同じことを繰り返す確率が非常に高いため、スムーズに書類を準備し、1回で手続きを完了できるようになるでしょう。どの書類が必要かを把握しており、準備が早いです。

養育費や親権など！離婚後に再婚するデメリット

ここでは、離婚後に再婚するデメリットを解説します。

親権でストレスを感じることがある

離婚後に再婚するデメリットとして、親権でストレスを感じることが挙げられます。再婚を機に、面会交流などの問題が発生するかもしれないからです。

例えば、親権を持たない親が、再婚後も子どもとの面会交流を希望したとします。その場合だと、新しい家庭環境との調整が必要になります。再婚相手が面会交流に否定的である場合、親権を持つ親はどちらの意見を優先するか悩むでしょう。

またケースによっては再婚をきっかけに、元配偶者が「子どもを奪われる」と感じて親権の再取得を試みたり、養育費の減額や停止を主張したりすることがあります。このような争いが、親権を持つ親に大きな精神的負担をもたらします。

養育費でストレスを感じることがある

離婚後に再婚するデメリットに、養育費でストレスを感じることがあります。養育費の支払いによって、自分の生活を圧迫するリスクがあるからです。

例えば、Bさんの妻は再婚相手であり、Bさんは前妻に養育費を支払っていたとします。そうすると、現在の妻が「なぜ私たちの生活が前の家庭のために犠牲になるのか」と感じ、不満を抱く可能性があります。養育費が現在の家庭の経済的余裕を圧迫する場合、再婚相手や新しい家族との間で不公平感や不満が生まれるでしょう。これが夫婦関係のトラブルやストレスの要因になることがあります。

万が一、経済状況が悪化すれば、養育費の減額を申し出ても前妻が拒否し、裁判になることも考えられます。弁護士費用や手続きの負担が増え、精神的にも疲弊するでしょう。離婚後に再婚をした場合、このようなリスクがあることを忘れてはいけません。

結婚相談所など！離婚後に再婚する方法

ここではとても重要な、離婚後に再婚する方法を解説します。

結婚相談所

離婚後に再婚する方法として最もポピュラーな方法として、結婚相談所があります。理由は、再婚希望者同士が出会いやすい仕組みが整っているためです。

例えば、結婚相談所には再婚を希望する人が多く登録しており、離婚経験を理解し合える相手を見つけやすい環境があります。結婚相談所の場合だと、以下のようにプロフィールに結婚歴を掲載する義務があるからです。

結婚相談所でプロフィールには初婚か離婚歴ありかしか選択肢がないので、離婚歴有りを選択。

引用元：Yahoo!知恵袋｜結婚相談所でプロフィールには初婚か離婚歴ありかしか選択肢がない（2025年1月4日時点）

結婚相談所はマッチングアプリとは異なり、戸籍全部事項証明書の提出が義務付けられています。そのため、離婚経験歴を正確に把握できるのは大きなポイントです。マッチングアプリのように「この婚姻歴は本当だろうか？」と疑う必要がまったくないため、気疲れしにくいです。離婚経験がある人・ない人を希望する場合、とても助かるポイントと言えます。

マッチングアプリ

離婚後に再婚する方法に、マッチングアプリがあります。多様な相手と手軽に出会えるためです。

例えば、離婚後に忙しい日常の中で出会いの機会が減った人でも、アプリを利用することで年齢や価値観が近い相手を効率的に探せます。プロフィールやメッセージを通じて、互いの考えや背景を事前に理解できるため、再婚に向けた真剣な出会いが期待できます。

その一方で、信頼性の低いユーザーや軽い気持ちの利用者もいるため、不安が生じることもあります。事実、マッチングアプリであるタップルでは、以下のように匿名で婚活することが可能になっています。

タップルは匿名でのご利用が可能です。また、プロフィールを非表示にすることもできます。
タップルを利用していることを友達や知り合いに知られたくない方は、プライベートモードをご利用ください。

引用元：タップル(tapple)｜知人に知られずに利用できますか？ – ヘルプ（2025年1月4日時点）

匿名機能が悪いわけではありませんが、実名の公表が義務付けられている結婚相談所に比べると、信用性は幾分か低くなります。またタップルは本人確認書類（運転免許証など）を提示するだけで、利用可能です。収入証明書や戸籍全部事項証明書の提出義務はないため、相手のプロフィールに対して疑心暗鬼になる回数は、結婚相談所よりも圧倒的に多いでしょう。

相手との相性は要確認！離婚後の再婚を成功させるコツ

次に、離婚後の再婚を成功させるコツを解説します。

価値観が合うか確認する

離婚後の再婚を成功させるコツに、価値観が合うか確認することが挙げられます。価値観が合わないと、些細な日常の決定や習慣が原因でストレスが溜まるからです。

例えばわかりやすい例として、片方が「家事は平等に分担するべき」と考えている一方で、もう片方が「家事は女性（または男性）の役割」と考えていたとします。このままだと、家事の量や負担に関して不満が生まれやすいですよね。「何で手伝ってくれないのか？」と、ストレスがどんどんたまっていくはずです。

他にも、一方が「健康志向で野菜中心の食事を好む」のに対し、もう一方が「脂っこいものや外食を好む」場合、食事に関する価値観の違いが摩擦を引き起こすでしょう。再婚相手が毎日外食を好むが、自分は手作りの家庭料理を重視している場合、「どちらの食事スタイルを優先するか」で対立することが予想されます。

このような事態を回避するために、再婚する前に互いの価値観を確認することは非常に重要です。

子供との相性を確認する

離婚後の再婚を成功させるコツとして、子供との相性確認もあります。その理由は、子供が再婚相手との関係に不満や抵抗を感じると、家庭内での緊張が高まり、新しい家族関係が崩れる可能性があるためです。

例えますと、思春期の子供が「新しい親」に対して拒絶反応を示した場合、親子間の信頼が損なわれ、家庭内での対話が減ることがあります。父親が再婚相手を紹介する際、子供との関係構築を軽視した結果、子供が反抗的になり、家庭の雰囲気が悪化するでしょう。

解決策としては、再婚前に再婚相手と子供が時間をかけて交流し、自然な形で信頼関係を築くことが重要です。例えば、一緒に食事や遊びを通じて、子供が再婚相手を受け入れられる環境を整えることが効果的です。

女性必見！離婚後の再婚でよくある質問

最後に、離婚後の再婚でよくある質問を解説します。

離婚してすぐの再婚は周囲の目が気になる？

離婚してすぐの再婚をする場合、多くの人は気になるでしょう。周りから以下のように見られる可能性があるからです。

私の友人も先週離婚しました。
早速、再婚に向けて頑張ってるようです。
離婚して早々に再婚を考える方は、結婚してる間に好きな人が出来たか、
女性の場合、取り敢えず誰かに頼りたい。(男性の収入があれば今よりも楽な場合もある)
子供にお父さんが居ないと可哀相。
この3つ位だと思います。
いずれにしても意思の弱さを感じます。

引用元：Yahoo!知恵袋｜私の友人も先週離婚しました。（2025年1月3日時点）

「意志の弱さを感じる」と断言をしていますよね。これは事実ではなく、あくまでこの人の意見なのですが、それでもこのように考える人がいることを示唆します。再婚をする場合、「自分もこのような目で見られるかもしれない」という心理になり、周りの目が気になってしまうのかもしれません。

しかしだからと言って、再婚をとどまってしまうのは考え物です。周囲の目を気にしすぎると、次のスタートを切れなくなるからです。下手をすると、せっかくの新しい人生のスタートがストレスになるかもしれません。他人の意見ではなく、自分や新しいパートナーの幸せを最優先に考えることが大切です。最終的には自分自身の幸せを考え、再婚を前向きに捉えることが重要です。

再婚は子どもにどう影響する？

再婚が上手くいくか否かで、子供への影響はプラスにもマイナスにもなります。例えば、再婚が円満に進み、新しい家庭が安定した場合、子どもにとって精神的な安らぎや安心感を提供できます。特に、再婚相手が良好な父親・母親的役割を果たせる場合、子どもにとって新しい支えとなります。この場合は、再婚が子供へプラスの影響を与えていることがわかります。

その一方で、子供が新しい家庭環境に適応するのが難しい場合、子どもにとって大きなストレスとなることがあります。特に、親が再婚相手を突然紹介した場合や、子どもの気持ちを無視して進めた場合、反発を招く可能性があります。もし子どもと再婚相手の相性が悪い場合、家庭内の緊張が高まり、子どもの精神的な健康に悪影響を及ぼすかもしれません。

このように再婚と一言で言っても、その後の展開次第で影響内容は大きく変わります。そのため、再婚を進める前に、子どもの気持ちや意見を十分に聞くことが大切です。子どもが納得し、受け入れられる形で進めることで、適応がスムーズになります。子どもの年齢や性格に合わせた柔軟な対応が、再婚家庭の成功につながります。